中身のない読書感想文

村上龍「走れ!タカハシ」


概要

 知らんがなそんなん

感想
本ページを記すにあたっては講談社文庫版を参照いたしました。

 中身よりも裏表紙の紹介文のほうが完成度が高い、非常に珍しい本だと思います。これが、中身のクソつまらん本ならともかく、中身もきちんと面白い上で、ときたら、珍しいと言う他無いでしょう?
 「広島カープ高橋慶彦遊撃手の輝ける肉体を軸に」って表現がいい。

 広島カープ高橋慶彦遊撃手の輝ける肉体を軸に、野球を楽しむ普通の人々を配した軽快な短篇集。←ウソです。実際は、センズリ、おめこ、セックスです。挙句の果てには人殺しです。
 …と言うように、限りなく裏表紙紹介文は限りなく虚偽なんですが、困ったことに面白いんですねこれが。ちなみにカンブリア宮殿は観たことないです。ムラカミリュウとか言う作家が出てるらしいですね。

 さて解説の吉本ばななさんはpart4,7,9,11が個人的には大好きだと仰ってますが、私はpart2,6,10,11が好きですねえ。
 ちなみに野球要素ですけど、ほぼないです。タカハシヨシヒコがスイッチヒッターなことは本文中で一度も触れられなかった気がします。
 しかしこうした作品は、現代を生きる人間からしたら考え難い一作ですね。「くたばれ」で開示請求されちゃうような時代に、こんな出来損ないの官能小説に名前を冒用されたら…開示請求を通り越して憤死しちゃうだろうなあ。

考察

 タカハシヨシヒコはもちろん、オオノ、カワグチ、キヌガサ、他球団だとタシロやエンドウ、カドタ、シノヅカ、ハラタツノリ、ムラカミハルキなどの名前が出てきますが、これらの作品は実際の試合の結果を元に書かれた作品なのか、あくまで実在する選手をモチーフに書かれた作品なのか。もし前者であるならば、とんでもない力量だと思います。

余談

 「走れ!イチロー」と改題された上で映画化されているそうです。イチローの輝ける肉体を軸に頽廃的なセックスをする映画と言うのはちょっと想像できないのですが…一体どんな映画なんでしょう?本物の川口和久が出ているらしいのですが。


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