松葉 |
松葉(中日)が好投を続けている。中日の事はよく知らないが、今年はかなり好調らしい。 夕焼けの町に立つ松の木が陽に透けていた。この松は赤松だったか青松だったか。名札のような板が付けられていたのだが、なぜそれを撮らなかったのだろう。今更ながら、松葉と言うのは「葉」にしては奇妙な形をしている。 そんな松葉についての思い出。ひとつ、松木松葉を見ると時々思い出すのがある。 露天風呂に植わっている松木から葉を抜いた。遠い記憶、いつか定かではない。恐らく小学生の時分だったか。昔はよく頭の上にタオルを載せていたが、最近は載せなくなったな。普通に風呂のふちに置く。そもそも、公衆浴場に行くことが激減した。 さて松葉を抜いて私は、それをどうしていたのだろう、恐らく手遊びにでも使っていたのかな。そもそも松木の植わる露天風呂はどこだっただろうか。思い出せない。それは山奥の、地元民と観光客とが混ざり合う客層の浴場だったかも知れないし、意外と都心にある、果てしない地下から湯脈を引いてきた温浴施設だったかも知れない。 露天風呂の陸の部分の、砂利だか土だか、松木の植わる地面の質感は思い出せない。夜だったな。暖色の灯りが足許を照らしていて、松木はそのおこぼれをもらうようにひっそり姿を見せていた気もするし、松木の為の電照が下から照らし上げていた気もする。石畳から一歩か二歩逸脱して、松葉を引き抜いた。引き抜いてどうしたか、松葉の奇妙な形状を面白がっていただろうか?濁り湯に浮かべて船に見立てていただろうか?夜空の色は真っ黒、#000000といった具合。当時の私は空の色を気にしていなかったのだろう。想い出の中の露天風呂の空はただ「黒」とだけ記憶されている。 ごめんなさい、中身のない話で。ただ、街角に植わる松木を眺めていたらふと昔の何気ない記憶が思い出されただけです。あの松の木はどこかの風呂場でまだ生えているのかな。 |