路傍の花
路傍の花、どこかの足許。立ち止まり、眺める。シャッターを切る。その傍ら、老若男女、多すぎず少なくもない人々が素通りしてゆく。誰しもが私を気にも留めない。寧ろ、気に留められた方が気恥ずかしく困るのだが。何となく、路傍に跪く私だけが別の世界に居るような気がした。たんぽぽとつつじ。当たり前にある景色。何となく見入って、ほどほどに眺めた。ある昼のこと。