祝日生まれの天皇が即位したら天皇誕生日はどうなるのか

今日は休日

 今日は平日ですが休日です。いわゆる振替休日です。昨日は天皇誕生日でした。陛下は今年で65歳だそうです。陛下、お誕生日おめでとうございます。
 言うまでもなく、天皇誕生日は天皇の誕生日であり、祝日になります。上皇陛下が天皇だった頃は12月でしたし、昭和天皇の頃は4月でしたね。

 さて、もし仮に祝日生まれの天皇が即位した場合、天皇誕生日の取り扱いはどうなるのでしょう?私も皇族の誕生日に詳しい訳ではないので余り浮かびませんが、実在する人物を挙げるならば、桂宮宜仁親王がそうですね。(宜仁親王のお誕生日は先々週の火曜日、すなわち建国記念の日です。)

国民の祝日に関する法律

 まず、祝日法を確認しましょう。これがまた興味深い。まず、本件について。何月何日が祝日なのかは、第2条で定められています。天皇誕生日は2月23日と言うことが分かりますね。
 しかしこれが、どうも、天皇が即位すれば自動的にその人の誕生日が祝日になる訳ではない様です。

 祝日法制定以来3人の天皇が即位しています(執筆時点)が、天皇が変わるたびに法改正で天皇誕生日を変更しているのです。
 極端な喩えになりますが、私はさすがに皇統に属する男系の男子ではないので、そもそも天皇になることはない(皇室典範第1条を改正すればあり得るかも知れない。)ですが、もし仮にそうなったとしても、祝日法を改正しなければ私の誕生日は天皇誕生日にはならないのです。誰であれ、天皇が代わっても祝日法を改正しないことには祝日の天皇誕生日は変わらないのです。

 話を戻しましょう。今日は天皇誕生日の振替休日です。
 では、振替休日とはどのように定義されているのでしょう?第3条を見てみましょう。
『国民の祝日』が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い『国民の祝日』でない日を休日とする。(第2項)
 これが要するに、日曜日が祝日であれば次の日が振替休日になると言う条文です。さらに、憲法記念日→みどりの日→こどもの日のような、祝日が連続する場合は直近の平日を振替休日にすること、振替休日の前倒しはしないことが一文に収められた、大変スタイリッシュな文章です。
 第3項は少し迂遠です。
その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
 これは要するに、祝日同士にサンドされた平日は祝日になる、と言うことです。今度は一つの事柄を表すのに大変まわりくどい表現がされていますね。括弧の中が言いたいのは、憲法記念日→みどりの日→こどもの日のような祝日三連続はこの規定とは関係がない、と言うことです。
 これはそうは起こりません。現行法の下では、敬老の日と秋分の日の間で年によって起こり得る程度です。注意したいのが、あくまで祝日同士にサンドされた平日が適用対象であって、日曜日と火曜祝日に挟まれた月曜日は平日ということです。祝日法を知らなければ何ともありませんが、知ってしまうと休みのような気がしてならなくなるので要注意!
 あと、祝日法は日曜日が祝日の場合は振替休日を設定するように言っていますが、日曜日が休日であるとは言っていません。

たぶん振替休日はある

 さて、話を戻しましょう。宜仁親王のような、お誕生日が既に何かしらの平日である方が天皇に即位した場合、祝日の取り扱いはどうなるのでしょうか?
 新天皇が即位すれば、祝日法を改正することになりますから、その際に一言付け加えるのではないでしょうか。 私は法には疎いのですが、素人考えとして、恐らくは3条を改正して、祝日同士が重複する場合は、直近の平日を祝日とする、的な文言が追加されるのでは?
 なので、形としては2条において同じ日に二つ祝日を規定した上で、3条で祝日同士が重複する場合についての規定を定めるのではないか。そして、二重祝日の場合は直近の平日を休日にするのだろう、と言うのが私の推測です。

しばらくないと思う

 天皇と言うのは男系の皇族がなるものです。それが何故なのかは知りませんし、その是非についてここでは論じません。かつては男系女子が天皇になったりもしましたが、現行のルール(皇室典範第1条)では、男系男子がなるとされています。仮に男系女子を含めたとしても、現在存命の皇族方に誕生日が祝日または祝日になりうる方はいらっしゃいませんから、まだしばらくはそうした議論を実際に見ることは無さそうです。
 天皇は特別な存在であり、国民統合の象徴であり、誕生日が祝日になります。ここでは天皇制の是非についても特に論じません。しかしながら、「毎日が祝日ならいいのに」と言う願望は、実は毎日を祝日にしなくとも、1年の半分を隔日で祝日に設定すれば、自動的に残りの半分も祝日になるということは、声高に主張しておきます。
 ちなみに、ご覧になられたように、建国記念の日だけは、日付が「政令で指定する日」となっています。これが面白くて、何日を建国記念の日とするかで、各党で意見が違えたらしいです。しかし実はその裏には、宜仁親王が天皇になった場合に備えた、と言う密かな意図があったりしたのではないかと、当時を知らない人間としては思います。何を以て建国が為されたかについては、様々な解釈が出来るのです。

2025/2/24

もどる

©このホームページの管理人