知らない街角


 知らない町を彷徨う。いつでもないいつかの晩。桜が咲いているので春だと思う。今年ではない。過ぎし日々の中のいつか。


 あてもなく彷徨う。どこの町か、知らない町、誰も居ない町。知らない町にも人の営みはあって、私を知らずに時が流れている。私もまた、そこにある町とはあまり関係なく歩いている。
 知らない町との不思議な邂逅をゆっくり味わう。何故ここに、ここは何処か、そんなことはどうでもいいじゃないか。


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