母の日の赤い花


母の日の赤い花、偉大なる母に捧げる。母は花瓶代わりの空き瓶に花を活けた。

しばらくすると閉じていた真っ赤な花弁が開きに開いた。それはまるで丸く大きな赤いたんぽぽ。人はそれをカーネーションとか呼ぶ。

花よ、浄水器の水は美味しいか。電灯の光は快いか。不眠の私は、寝床を出て、食卓に咲く鮮やかな花に問いかける。深夜2時。

発声のない花との会話。どこからか、打ち付ける、雨の音だけが、ぱらぱらと、居間に響いている。
やがて夜が空ける。光合成に良いだろうと、食卓から窓際に移してやる。窓越しの光は気持ちが良いだろう。窓の外は真っ白な空。

令和7年5月12日

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