ベルリン・天使の詩(1987)


予告編より

あらすじ

 「ベルリンは天使の住む街。天使は人の心の声を聞けるが、色彩を感じる事は出来ない。そして人々を見守る天使の姿は子供にしか見えない。天使ダミエルとカシエルは人々を観察して日々を過ごしている。図書館、地下鉄、そしてモニュメントの上で。」(各所に掲載されている解説文より)
 「ベルリンの街を見下ろす天使ダミエルとカシエルの日課は、人間たちの行動を観察し、その心の声に耳を傾けること。そんなある日、サーカスに立ち寄ったダミエルは、空中ブランコ乗りの美女マリオンに心引かれていく。また、あるときはベルリン滞在中の俳優ピーター・フォークが、子供にしか姿が見えないはずのダミエルに話しかけてきた。人間の生活に憧れを抱いたダミエルは、ついに天界から下界に降りることを決意するのだが…。」ザ・シネマの番組情報より)

予告編

感想

  別に映画鑑賞が趣味ではないし、評論家を気取るつもりなんて毛頭ないですが、もう何年も前に録画したものをようやく観たので、折角に感想を書こうと思いました。はっきり言って面白かったです。
この作品をどういう層の人が見るのかは知りませんが、映画素人の感としては、
①天使には色が見えない
②天使は人間の心の声が聴こえる
③天使は子供には見える
と言う3点を押さえておけば観易いと思います。というか、この3点を知らずに見ると、卓越した鋭い勘をお持ちでもなければちんぷんかんぷんなのではないでしょうか。
 天使の視点をモノクロ、人間の視点をカラーで描写する演出は非常によろしいと思いました。少しだけネタバレをすると、下界に降りたダミエルは初めて総天然色の世界を見る訳ですが、視聴者の我々も長い事モノクロ映像ばかりを見せられていた所にフルカラーがやってくる訳ですから、色がことさら鮮やかに見えます。まさにダミエルと同じ心地でしょう。色を知り、感覚を持ち、心を躍らせながら下界に降り立ったダミエルの様子に、元々下界に居る筈の私までつい小躍りしてしまいます。
 初めて下界に降り立ったダミエルの様子を見ると、初めて旅へ出た日の事を思い出します。まさに、ダミエルと全く同じような心の踊り方をしました。あの感覚を、忘れずに居たいものです。

ネタバレを含む感想
ほんまにええんか? 全体的にあらすじの内容に沿った展開である、と言う印象を受けました。あらすじの通り下界に降りて、ダミエルはマリオンと一緒になる訳ですね。下界でついにダミエルとマリオンが出会うシーン。これが映像終了15分前くらいな訳ですよね。で、そのあと、一緒になったよーと言う説明的な描写がされる。少々展開が急かな、と思いました。映画ってこんなもんなのでしょうか?逆を言えば、それまでの描写に多く時間を割いている。そんな丁寧に観てないけど、ちゃんと展開が後ろに繋がってはいるんですね。しかし、ピーターもまた、下界に降りた一人だったことには驚きました。なるほどなあ、そりゃ見えないけど感じる訳だわな。曰く、「結構いる」とのことで、どのくらいるのか気になる所です。天使の欠員は補充されるのかも気になります。カシエルも一人じゃ淋しいだろうし、ピーターにダミエルにと、長い歴史の中で少しずつ天使が下界落ちして行ったら、いつか天使の人手不足になりそう。それとも、登場しないだけで他に面識のある天使が居るのでしょうか?ピーターとダミエルに天界での面識はなさそうですし、だとしたら、管轄エリアみたいなのがあって、そこに所属する天使が居て、エリアが違えば天使同士でも面識が無い、と言う解釈ができますが。
 鎧は、下界に降りた天使が人間として生きるのに一通り必要なものを揃えるための給付金のようなものでしょうか。野暮な疑問ですが、戸籍とか、身分証とかはどうなるんでしょう?いろいろな事を思いつつ、別に演技を評するとか、映像技法を評するとか、そういう知識は一切ないので、とりあえず「面白い映画だった」と言う一言で締めておきます。
コンサートキテヨカッタナー

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